「入れ墨」が刺青・TATTOO（タトゥー）の統一表記？
ある入れ墨職人は、「入れ墨」という表記について苦言を呈しました。
その主張をまとめると以下のような内容になります。
「入れ墨と書くから江戸時代の刑罰を想起させる。我々が行っているのは刺青であって入れ墨ではない。
伝統的な技法に則って、依頼者と職人が納得した場合にしか入れたりしない崇高なものなのだ。日本人はもっと伝統文化を理解するべきだ。このままでは日本の伝統美が失われてしまう」
国際的な舞台で、日本の伝統的な和彫り職人は確かに高い技術で注目されています。
いまや正当な技術を継承する和彫り職人はごくわずかとなり、伝統が途絶える瀬戸際にあることも事実です。
彼らは「入れ墨」という表記にも苦しめられているのだと言います。
条例の表記は「入れ墨」で統一されている
「刺青」をアートと捉える人々にとって、「入れ墨」「刺青」「タトゥー（TATTOO）」の表記の差は大きな問題です。
しかし、公的な文書ではおおむね「入れ墨」という表記で統一されており、政府としての姿勢はおそらく変わらないと思われます。
今後、和彫りの伝統様式に注目する人が増えれば、文様のパターンや、実際に施術する技術などを記録し、将来に残すこともできるかもしれません。
しかし、現実には多くの日本人が「入れ墨」を自らとは無縁のものと認識し、なるべくかかわりを持たないようにしたいと考えている状況です。
ほんの数センチ程度のタトゥーであってすら、日本では社会生活を営む障害になりかねません。
「刺青は肌に施す生きた芸術」という意見もありますが、もし「和彫り」を開かれたアートにしたいと願うのであれば、先入観から思考を開放し、誰もが「和彫り」に抵抗感を持たなくていい社会環境を作ることを目指す必要があるのではないでしょうか。
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